中国政府のビットコインへの規制は、日本国内の仮想通貨の盛り上がりに水を差すか?

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「仮想通貨」

「ビットコイン」

 

日本国内において、最近このような分野が盛り上がってきているようだ。

 

2016年5月に仮想通貨の取り扱いについて定めたいわゆる「仮想通貨法」が成立、2017年には施行される予定だ。

2016年には仮想通貨の代表である「ビットコイン」の価値が2倍以上に値上がりした。

このようなことが盛り上がりの背景にあると思われる。

 

【参考】2017年“仮想通貨法”施行、「フィンテック」関連株は本格飛翔へ <株探トップ特集>(株探ニュース) - ニュース・コラム - Yahoo!ファイナンス

 

この盛り上がりの中、仮想通貨や、その基盤になっている「ブロックチェーン技術」について色々な話を聞く。これらはインターネットの出現に匹敵するほど大きな潜在力がある云々。

 

 

ただ、まだその可能性について十分に腹落ちしていないところがある。本当なのだろうか? と思うところがある。

多分私がまだ勉強不足なのだろうと思う。その勉強を始める意味もあってこのブログのエントリーを書いている。

 

 

 

仮想通貨の代表といえば、「ビットコイン」である。

 

私は実はこのビットコインを使うメリットがまだ分かっていない。色々言われている中で一番のメリットだと思うのが、銀行を使うのに比べて海外送金が速く、その手数料が安いということだ。ただ、これは本当に仮想通貨だからこそのメリットなのか少し疑問でもある。

銀行の間の送金は、何もお札を空輸しているわけではない。銀行の口座の数字を変えているだけだ。

今、銀行に行けば国内送金はすぐに行うことができる。海外送金は確かに不便だが、本当は(技術的には)やろうと思えば海外送金であっても、国内送金のように、すぐに、そして安く送金できるのではないだろうか?

ただそれをしていないのは、政府の規制があって、資金洗浄を防ぐチェック等をしなくてはならず、その為に時間とコストがかかっているからではないのか?

仮にそうであれば、ビットコインの銀行よりも早く・手数料が安いというのは、現段階で銀行と違って規制されていないからであって、いつか規制をされるようになった場合、このメリットは消える。そういうことにならないだろうか? 

本当のビットコインのメリットはなんなのだろうか?

 

 

 

ヒントになりそうな面白い事実がある。

世界のビットコインの取引の9割が中国で行われており、「マイニング」と呼ばれるビットコインの生産に関しても、世界の生産の7割が中国内で行われているということなのだ。

【出所】

少なくとも現段階において、ビットコインは事実上、中国用の仮想通貨なのである。中国内においては、使うメリットがとてもある。逆に、中国以外ではほとんどメリットがないともいえそうな状況になっている。

 

ではそのメリットは何か? 

 

中国では、現在の人民元が高すぎ、今後人民元安になるという見方をする人が多い。その為、今のうちに人民元をドル等の外貨に換えておこうという動きがある。これに対して、政府は人民元が安くならないように、人民元をドル等に換えることに規制をかけている。

(それにしても、トランプ米大統領が、中国政府が人民元を意図的に安くしていると批判している一方、中国政府が人民元が安くならないように規制をかけているというのは興味深い)

 

 

そして、この規制をかいくぐる手段として、ビットコインが使われているという見方がある。

【出所】Chinese Investors Buying Up Bitcoin as Yuan Falls - WSJ

これはとても腹落ちするメリットに感じる。昨年値上がりしたというのも、中国人投資家の資金が背景にあるとするならば納得がいく。

 

 

 

 一方、中国政府は人民元をコントロールしたい訳なので、当然その規制の抜け穴となっているビットコインには注目している。そして徐々に規制を強めている。

 

特に2017年に入ってからはいくつかの動きがあった。

  • 1月6日: 中央銀行が中国の3大ビットコイン取引会社に調査開始を通知
  • 1月11日: 中央銀行が3社に抜き打ち調査に入る
  • 1月18日: 調査結果を発表、規定違反や資金洗浄への対応不備があると指摘
  • 2月8日: 調査対象を9社に拡大。9社に資金洗浄対策等の強化を要求
  • 2月9日: 中央銀行、今後規定違反が厳重だった場合には取締ると警告。結果、大手3社が取引を一時停止すると発表

【出所】 暂停提现!为此,中国打响第一枪! _ 东方财富网(Eastmoney.com)

 

 

これらの一つ一つの動きに対し、ビットコインの相場は大きく影響を受けている。例えば、2月9日には、15分程度の時間でビットコインの価格が1割程度下がった。日本円等の他の通貨の変動と比べると相当な下落である。

 

 

 

現在、日本においては、仮想通貨に関して、盛り上がっているように見える。

仮にだが、更に中国政府が規制を強め、ビットコインの価格が大きく下がる、もしくは中国内での利用がなくなるということがあった場合、この盛り上がりは水を差されて無くなってしまうことはないか? それとも、やはり中国とは関係なく発展していくのか? 気になるところである。

 

 

私はビットコインや仮想通貨について専門家ではないので、考えが足りていないところもあると思う。その点ご容赦ください。

 

すあま