10 日間という東京都議会選の選挙期間はとても短いのでは?
東京都議会選挙が 7 月 2 日にあった。
結果、小池氏が率いる「都民ファーストの会」が大きく議席を伸ばし、自民党が大きく議席を減らした。
この結果をもたらした要因については色々な分析がされているが、特にここでは取り上げない。
「東京都議会選の選挙期間は短すぎはしないか?」ということが気になり、これについて書いてみたい。
東京都議会選挙の選挙期間は、候補者が立候補してから(6/23)、投票日まで(7/2) 10 日間であった。
(参考:東京都選挙管理委員会 http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/h29togikeikaku.pdf )
「選挙では政策を議論する必要がある」などと耳にすることも多いが、わずか 10 日間で政策を理解して比較するのは、常人にはなかなかできるものでない気がするのだ。
この 10 日間というのは長いのか、短いのか。比較の為に外国の例を一つ探してみた。
ニューヨーク州の州議会(下院)選挙である。アメリカの中で、東京都という区分と一番似ているのではないかと思い、例としてみてみた。下は2016年の選挙の例だ。
- 立候補締切: 2016年 8月23日
- 予備選挙: 2016年 9月13日
- 本選挙: 2016年11月8日
(参考:Ballotpedia)
立候補締切から本選挙までを選挙期間とするならば、77日間、立候補締切から予備選挙までとしても 21日間
東京都議会選の10 日間に比べてずいぶんと長い。
他の都市の例も見てみないとはっきりと言えないところもあるが、東京都議選の選挙期間は、他の民主主義国の地方選挙と比べて随分と短い可能性がある。
仮に選挙期間がとても短いとして、それは選挙の仕方や結果にどういう影響があるだろうか?
まず、政策よりも知名度や印象で選ばれることが多くなるだろう。
短いと、政策を比較したり、候補者の間で議論したりする機会はどうしても限られる。するとどんなに都の為にいい政策を練ってもそれが伝わる暇がなく、当選につながりにくくなる。逆に重要なのは知名度や印象になってくる。
知名度を高めるには、芸能人やスポーツ選手の擁立、名前の連呼による刷り込み、有名政治家の応援等が効果的な方法になるだろう。
印象で勝負するには、見た目のいい候補者の擁立、敵対政党のネガティブキャンペーン等も効果的な方法になってくるだろう。
次に、政党に所属していない人の当選は難しくなるだろう。仮に政策を比較するにしても、限られた時間の中では政党同士の比較が関の山である。
投票率も低くなるだろう。期日前投票制度もあるとは言え、この 10 日間に都合が悪く、投票できない人もそれなりにいるはずだ。
一方で選挙のコストは安くなるだろう。2か月~3か月も選挙を行えばとても疲れるしコストもかかる。10 日間でぱっと終わらせてしまった方が経済的だ。
選挙期間が短いことにはいい点も悪い点もあるが、例えば一度 2 か月とか、思い切り選挙期間を長くしてみたら、何が起こるのだろうか?何か色々違う選挙の在り方も見えそうな気もする。
すあま